
改善のためのいろは
さて、これらの見解から、特に「人格障害を原因とした対人恐怖症」が悪化する原因は、
・姿勢や運動不足などが元になった不健康だから
・無意識のうちに自分を演出しているから
・自分の実力を正しく知らないため自分が優秀なはずだと思い込んでいるから
→優秀に振舞わなければならないという強迫観念がある。
→ありのままに振る舞えないことで心理ストレスがたまり、それを外に吐き出すために「恐怖症」が出る。
・恐怖症が悪化する原因を探しながらも、自分の責任ではないと思い込んでいるから
だと言えます。
そこでここでは
・「場慣れする」:嫌な場面から逃げない。
・「腹式呼吸」 :横隔膜を正しい位置に戻す。
・「認識を正す」:歪んだ考え方をまっすぐに。
の三つの解決策を紹介します。
「場慣れする」・・・逃げが恐怖を増幅する
恐怖症が悪化する原因の一つに場を回避してしまう「逃げ」があります。症状が出るのが辛くて辛くて人と会うのを避けたりする気持ちはよくわかりますが、それでは治らないでしょう。
治る人もいるかもしれませんが、わたしは悪化しただけでした。
なぜなら逃げることは「一時退避」に過ぎず、不安の対策を練るわけでもないため、嫌な場面に戻ればまた同じ不安に駆られるからです。テスト直前、勉強ができずに投げ出しても勉強ができるようになるわけではなく、テストで良い点が取れないのと同じ。
逃げても逃げても治らずうんざりしたわたしがようやく出した答えは、知りつつも実践していなかったこの治療方法で治すことでした。
だから「場慣れ」で緊張の場面をなんども乗り越えるのがいいのではないかと思っています。最初から緊張の場面に飛び込むのではなく、自分が納得して、挑戦しようと思った時でいいですから。
せめて回避するなら『なにが何でも症状を隠す努力』『次に向けての対策を練る』ことをしましょう。
おならが気になるならおしりまで隠す厚手の服を着たりして安心感を得ることが大事です。視線が気になるなら、メガネやマスクなどで顔を隠すものいいでしょう。
そんな一時しのぎを続けて、同時に考えの歪みも治していくのが至高です。
「腹式呼吸」・・・深い呼吸が精神を落ち着かせる
病んだ心を治すには、体を健康にすることも大事です。心と体は相互性があるからです。その改善策の一つとして、自律神経について考えてみましょう。 人格障害・発達障害などによってストレスが蓄積→自律神経が乱れる→体が不調になってしまいます。その自律神経を整える行動を起こしましょう。
それにふさわしい方法は、腹式呼吸です。
は?と思う気持ちもわかりますが、呼吸は生命活動の基本です。緊張した時、何か不調がある時は、呼吸が乱れている場合が多いです。
下記にある人の意見をまとめます。
うつ病の奴や自律神経が乱れてる奴は 、自分のみぞおちの下らへんを触ってみてくれ 。
おそらく固くなってるはずだ。みぞおちあたりが窮屈なのは凝り固まってるのといっしょだ。
なぜ、みぞおちあたりが固くなり窮屈に感じるか、 それは実は「横隔膜」が上がっているからなんだ。
上昇した横隔膜に圧迫されて横隔膜より上にある内蔵が圧迫されている証拠なんだよ。そしてこういう奴らってのは大抵、浅い呼吸になっている。ひどいやつは猫背にもなってる。
【腹式呼吸のやり方】
・気が向いたら一日に何セットも何セットもやること。
・半年くらい続けること。
・腸に良しとされるヨーグルトも同時に食べておきたい。
【腹式呼吸の効果】
・意識しなくても、自然と横隔膜は大きく下降し、深くゆっくりした呼吸になる
・腸を圧迫すると脳の血流が活発になりセロトニンの生成に大きな効果を与える。
・ちなみにこれはパニック障害にも効果的らしい 。
俺は上記の呼吸法のあと、座禅を2年間続け、 会社のプレゼンやコンペで今ではまったく緊張しなくなった。人と話すときももちろん緊張しない。
(参考:うつ病のやつちょっとこい)
この方法を書いた人はさらに、ヨガ、座禅、気功もやるといいと書いています。敬遠しそうになりますが、ヨガも座禅も、いつでも誰にでも一人でできる素晴らしい療法の一つだと思います。食わず嫌いをせずに真面目に挑んでみてください。治すためならいろいろ取り組みたいものです。
「認知を正す」:未熟で歪んだ知識が恐怖症を悪化させる
大人になったら恐怖症が治った、という意見を目にしたことがありませんか?
あれの原理は、
→自分を見つめる
→精神が成熟することによって自分に起きていることの全体像が見える
→正しい責任感と優先順位で行動することができるようになる
→結果恐怖症が取るに足らないものだと知ることができた
何もせずに大人になっても、治りません。
さて、人格・発達障害および「認知の大きな歪み」が過剰に加速することによって恐怖症は引き起こされます。 認知の改善のためには、医者に行くことが一番ですが、私が考えた人格障害の対策を挙げます。
【人格障害の場合】
・本やネットで人格障害について調べる。
・自分が人格障害であることを知る。(知識としてでなく、体解すること。一番難しいことですが)
・自分の認識の歪みを知る。
・周りにかけてきた迷惑を知る。
・世間との考えのずれを再認識する。
・人生は自分の責任だと知る。(一人暮らしなどをはじめてもいいかもしれません。大変さがわかります)
自己愛性人格障害などは迷惑をかけていることに無関心で、周りの人に被害が及ぶのに、本人はいたって平気な(罪の意識がない)厄介な障害です。これに自分で気づく人はあまりいないと言いますが、気づいたのなら考え方を治せばいいだけです。
自分の恐怖症の原因がわかったのなら、改善方法はネットで探せばたくさん見つかるはずですし、発達・人格障害に詳しい心療内科に行けば的確な助言をもらえるはずです。
本来の自分を以って振る舞えるようになれば、自分を正しく見つめる目が鍛えられます。そうすれば、自分に足りないものや劣っていることが見えてきますから、自分に合った正しい成長をすることができるようになります。
その時は今度こそ、優秀になるための努力ができるようになるでしょう。
まとめ
素晴らしい意見を目にしたので、ここでその意見を引用させていただきます。何故周りに自分をさらけ出せないかと言えば、他人を信用出来ないからで、それは=周りが自分をどう思うかが怖い。さらにそれを深めて考えると、承認不安という言葉に行き着きます。
原因を無理に探る必要はないですが、家庭環境ばかりではなく、偶然や、成長過程でのちょっとしたことが心身に影響を与えている可能性はありますね。
あと、自律神経の働きの関係でもともと不安を抱えやすい体質の人もいます。不安を抑える物質であるセロトニンはどうも九割が腸で作られるそうで、私は胃の調子が慢性的に悪く、小学生の時には自家中毒と診断されたこともありました。内臓の働きは自律神経、鬱や神経症等の病気とも深い繋がりがあります。
あと猫背など、骨格の歪みも心身に影響が大きいです。体の歪みを矯正し、豚肉などセロトニンの働きと関係の深い食べ物を多く摂る、東洋医学や心理学を勉強するとよい結果が得られるかも。
それと、精神的な部分では感情の動きと深い繋がりがあります。「怒り」がスーッと消える本という本がありますが、鬱等の神経症と怒りの繋がりを指摘しています。難しい本ではないので、一度読んでみることをオススメします。
恐怖症になる原因はたくさんあるんです。
色々な過程を踏まえた上での、一つの同じ結果が恐怖症なんだと思います。
さらに恐怖症になってしまうのは、別に大きな出来事がなくてもありうることで、成長期のちょっとした歪みが原因で、大人になるまで引きずる人もいます。
そして私の場合は、幼少期から思春期にかけてうまく人格の形成ができなかった「人格障害」でした。思春期にひねくれてしまったことが原因だったのかなと思います。だってどんな育ち方でも、それを受け入れることができる人はそのまま育ちますから、私はそれができなかったということです。
私が自分を人格障害だと知って、ようやくわかったことがあります。
無意識のうちに、自分は悪くないはずと思っていたことです。非常に複雑であやふやで不可解なことばかり述べてきましたが、私の場合最後はこれに帰結します。他人のせいにすることは、自分と向き合うことを拒否しているのと同じということだったのだと思いました。何度も親に言われたことのある「すべては自分の責任だ」という言葉の意味が、ようやく心に沁みた気がします。
千差万別のいきさつがあると思うので一概には言えませんが、恐怖症を克服できる人とできない人の違いは、理由はどうあれ「恐怖症の原因が自分の考えにあると考え、自分の責任で行動できるかどうか」です。
恐怖症の悩みに限らず、他人のせいにすると一向に幸せになれないのは、自分を認めるのが怖いからでしょう。認められないと、なぜだが命に関わることでもないのに、自分らしさを認めることがとても怖いんですよね。
多分自分が思っているほど自分が優れていないということに、自分で気づかないからなんだと思います。自分は優秀なはずである」という盲目的な無意識の認識が、自分を鑑みる目を曇らせています。
いわゆる「灯台下暗し」です。
人間は、ありのままの自分を愛して初めて気持ちがラクになるようです。人間は親に無償の愛をもらうことで健全に育ちます。親の元から巣立った後は、自分が親のように自分自身を見つめることで、自尊を保ち、律することができます。だからこそ自分への無償の愛は必要です。人生を生きる上での物差しになるからです。
そんな当たり前の行為ができない障害だったということに、気付けて良かったと思っています。
大事なのは、自分で、自分の不甲斐なさを知ることです。実力を知れれば、なんだこんな程度だったかと、どこかほっとしますよ。
さて、ここまでわかった時私の中にあった思いは、
悔しいけど、原因がわかってまぁよかった。これからは自分の歪みを治していけばいい。
血眼になって犯人探しをしていた私は、ようやく自分の中に犯人を見つけました。
私は現状を改善していくことより、犯人探しを優先してきました。その犯人の目星を親や環境につけていたのですが、こうして人格障害について調べるうちに、どうやら自分が犯人らしいと気づいたのです。
すごい衝撃でした。今までの自分の中の常識が全部剥がれ落ちていくようでした。せっかく人のせいにしてきた生活も、全部自分に跳ね返ってきました。(ドラマで、親が子供に「お前は本当の子供じゃない」ということを打ち明ける場面で、子供が今までの人生の価値観を信じられなくなったりしますね。全然深刻さが違うのですが、あれと似た衝撃でした。)
今まで無意識のうちに恐怖症に甘えて暮らしていました。でもこれからの自分の人生を生きるのも私以外にいません。捨てることもできる人生だけど、私はわがままなものですから、どんな状況になっても捨てたくはなかったし、恐怖症の脅威がなくなった今はなおさらです。
ここまで読んでくださったあなたもきっと、恐怖症に悩んでいるのでしょう。なかなか治らないのは当然です。脳に刻まれているのだから無理ないです。だけど、脳に刻まれ始めた時よりゆっくりにはなるものの、恐怖症はどんどんほぐしていくことが可能です。
私の場合、前を向いて生きられるようになった今、恐怖を気にしなくなりました。不思議です。あんなにも頑固でわがままで、恐怖症にしがみついていたのに、原因がわかり、自分を戒めるようになると恐怖が薄らいでいきました。もう自分を着飾る必要がないと体解できているからです。だからあなたが人格障害の場合は、人格を再形成するから多少ゆっくりになろうとも、治ります。そうでない場合ももちろん改善は見込めます。
恐怖症を通して、自分と向き合うことができるかどうか、試されていたのかもしれないですね!
そして、あなたの周りでもし恐怖症で悩んでいる人がいたら、ぜひ支えてあげてください。
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